噴煙雑記 その9

3月某日
3月も終わりだというのに、ここ数日黄砂の飛来がひどくて、お天気は良いのに青空はかき消されている。桜島方面を見ても白っぽい幕に覆われたように山容は全く見えない。山の上部あたりには黄砂とは明らかに違う黒っぽいものが立ち上がっている。桜島が爆発して、その噴煙が混じっているようだ。洗濯物も部屋干しばかり。

4月某日
きょうは県立図書館へ本探しに行った。コロナの影響もあるのか、来館者は少ない。毎年1作は新しいテーマに取り組んで作品を仕上げたいと思っていて、やっとその方向性が見えてきたのだ。開架式の本棚からテーマに関係する何冊かを見つけ出し、あとは蔵書検索用の端末で本を探し、書庫から出してもらって、必要な部分のコピーを取った。テーマが決まれば本探しが楽しくて、いつもワクワクする。

4月某日
4月29日は私の属している文学団体の大事な行事が、都内の飯田橋近くのビルで毎年行われている。しかし昨年はコロナ禍で中止。今年こそはと群馬県に場所を変えて準備していたが、結局コロナの感染再拡大でやむなく中止を決めた。60年以上も続いていた行事だったのに、2年連続中止になろうとは考えもしていなかった。ほんとに残念でならない。

というのも会員が全国に散らばっていて、鹿児島在住のわたしや、東北方面の人、長野や千葉や茨城など遠方から集まる関係で、いくら群馬に会場を移しても、そこへ行くにはどうしても東京を経由せねばならない。小池都知事は「東京へ来ないで」と呼びかけ、わが県知事は「県外へ出ないで」と要請している。不要不急ではない重要な用事だったけど、飛行機もホテルもキャンセルし、楽しみにしていた1年数カ月ぶりの上京は実現しなかった。

4月某日
毎月1回、有料老人ホームに入所している姑さんをかかりつけの内科医に連れて行く。94歳の高齢なので足元はおぼつかないが、腕を支えれば何とか歩ける。朝・夕服用する5~6種のクスリの1カ月分を貰いにいく目的のほか、定期的に検査を受けたり、11月にはインフルエンザの予防接種もしてもらっている。

神奈川に住む姑さんの娘が3月に鹿児島まで来てくれたが、姑さんのいる施設の方針で県外者、特に関東圏に住む人は入所者と接触できないとのこと。せっかく遠方から会いに来ても、病院に連れ出すことも、自宅に戻って外泊することもできず、面会は施設の玄関まで。内扉のガラス越しに手を振って顔を見せても、マスクをしているので娘だとわかったかどうか。

姑さんは認知機能が衰えているので、1分前のことも覚えていない。けれどもむかしのことや、わたしの顔や名前はわかるし、目に入る漢字も読める。新聞も購読している。ただし読んでも話しても何かしても、それらの記憶をしまう大きな壷が満タン状態で、新しい記憶はジャージャーと壷の外にあふれ出てしまうようだ。これって20年後のわたしの姿かもしれないと、姑さんを見て思っている。

4月某日
連休が近づいたきょう、姑さん宛に鹿児島市から「新型コロナウイルスワクチン接種券」と「新型コロナワクチン予診票」がセットで届いた。姑さんは施設に入所中で、施設内で接種できるのか現在関係機関と調整中とのことで、まだ決まっていない。電話での予約が必要だけど本人は出来ないし、予診票の記入も無理だろう。結局、指定病院に予約して、個別にわたしが連れて行くことになるかもしれない。

鹿児島市の今回のワクチン接種券は75歳以上に配布されたらしい。4月27日時点での国内ワクチン接種実績は、累計接種人数で2,273,974人。前日の接種人数より185,545人増。つまり一日19万人以下の接種で、累計でもまだ230万人に満たないことになる。1億2,000万人いる国民に接種が行きわたるのはいつの事やら。いろんな事情があるにせよマスクもワクチンも外国頼りとは、なんか情けない。そのうえなんかトロイなあと、ため息が出た。

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黄昏どきの桜島ときょうの月

最近、活発に噴火している桜島ですが、夕方の黄昏どきにベランダに出てみたら、なんと月が煌々と照り輝いていました。
調べてみたら、きょうは十五夜で月齢14。明日が満月で十六夜と月齢カレンダーにありました。
どうりで美しい月でした。

たそがれどきの桜島ときょうの十五夜をご覧ください。


DSC_1576 (2).JPG        4月26日 19時06分 自宅より撮影

DSC_1577 (3).JPG             同上  

DSC_1579 (2).JPG              19時07分 川面に映る月の道 

きょうの桜島

今朝9時10分、桜島がことし60回目の爆発をしました。噴煙は火口上2400メートルですから、中程度の爆発といえましょうか。
 火山灰をたっぷり含んだ噴煙は、風に乗って南方向へと流されて行きました。

DSC_1553.JPG        4月20日 9時15分 自宅より撮影

DSC_1555.JPG         同上  9時28分    同上

アニマルウェルフェアって何?

知人から「アニマルウェルフェアって知ってる?」と訊かれ、「アニマルウェル…? 知らない」と答えた。どこかで聞いたような気もするが、よくわからない。日本では「動物福祉」とか「家畜福祉」などと訳されているという。さっそくウィキペディアで「動物福祉」を開いてみると、

 (Animal welfare)とは、一般的に人間が動物に対して与える痛みやストレス
 といった苦痛を最小限に抑えるなどの活動により動物の心理学的幸福を実現
 する考えのことをいう。動物福祉という語感から、感情的な「愛護」や介護・
 医療など含む社会保障を連想する「福祉」だと誤解される場合もあるため、
 日本国内では和訳せずにアニマルウェルフェアと表記されることもある。

これはペットや家畜が対象で、ペットに関しては2013年に動物愛護法が改正されてかなり改善されたものの、家畜対策が遅れているという。知人によればこの問題が表面化したのは、昨年末に元農水相が鶏卵業界の大手から500万円の現金を受け取った疑惑が発覚してからだという。その大臣は大騒ぎになる前にさっさと辞めてしまい、マスコミの追及もそこで終わってしまった。

鶏卵業者がなんで農水相にワイロを送るんだろうと思っていたが、その背景には東京オリンピックで選手たちに提供される食材についての問題があった。前々回のロンドンオリンピックあたりから、食材に関する「アニマルウェルフェア問題」が世界的な潮流になっているらしいが、全然知らなかった。

東京オリンピック開催に先立ち元オリンピック選手たちが「アニマルウェルフェア」への配慮から、ケージ飼いの鶏の卵をやめて平飼いの卵のみを提供するよう要望しており、この動きにいち早く気づいた日本の鶏卵業者たちがケージ飼いの卵も国際基準で認めてもらえるように、農水相に働きかけたようだ。

日本では卵の値段は数十年来変わっておらず、価格の優等生とも言われている。それは採卵用の養鶏場の92パーセントが、狭い金網の中に鶏を閉じ込めて卵を産ませるケージ飼いだから可能なことで、逆にその劣悪な飼育環境が問題視されており、世界では鶏が地面を動きまわれる平飼いへの切り替えが進んでいるという。

日本の養鶏業界はコストの掛かる平飼いの反対運動を繰り広げ、政治家に圧力をかけ、政府はそんな養鶏業者に配慮してアニマルウェルフェアの国際基準を下げる(ケージ飼いもOKにする)ための意見を国際機関に出し続けているそうだ。安い卵の裏にそんな重大な問題が潜んでいようとは思わなかった。

ケージ飼いで生産された日本の卵が東京オリンピックで提供できないならば一大事と、業界は躍起になったのだろう。日本でも平飼いを採用している企業が増えているとはいえ、まだ少数らしい。卵は安くて当然という消費者側の意識が変わらないと、鶏卵業者も現状維持のままで、考えは変わらないだろう。

卵を食べて罪の意識を感じたことはないが、これが牛肉や豚肉や鶏肉となると違ってくる。すき焼きにしゃぶしゃぶ、とんかつ、焼き鳥等々、日々おいしい肉料理に目のないわたし(たち)は、動物福祉のことなど意識しないで家畜の肉を食べていると思う。最近は野生動物のジビエも人気がある。

農林水産省のホームページには「家畜を快適な環境下で飼養することにより、家畜のストレスや疾病を減らすことが重要で」それが「生産性の向上や安全な畜産物の生産にもつながる」から、「アニマルウェルフェアに配慮した家畜の飼養管理の普及に努めている」とあった。消費者としても「ごちそうさま」の感謝の言葉から一歩進んで、動物福祉の考え方を持たないといといけない時代へと変化しているようだ。

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