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zoom RSS 言葉のパワー

<<   作成日時 : 2010/07/07 00:14   >>

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最近、テレビのニュースをあまり見たくない。楽しい話題ばかりを求めているわけではないけれど、見たくもない、聞きたくもない事件や事故、権力がらみの争いなどが、薄型テレビの鮮明な画面からとめどなく放出される。というか垂れ流し状態だ。たとえ間違った情報でも、回収などはされない。

日本には古代から言霊(ことだま)という考え方があるとは、もう何度か書いてきた。言葉には霊力が宿っているから、口に出して言ったことは現実のことになるという意味で、この言霊思想は、日本では和歌の世界で受け継がれ、現在まで影響を持っているといわれる。

言霊思想は実際には、言霊の力を積極的に使って働かせようとする考えと、逆に言葉を使うことを慎んだり避けたりしようとする考えの2つがある。マスコミの報道や解説は、もっぱら前者の応用のように思えることが多い。嘘も百回言えば本当になる、そんな調子の報道に出会うと気分が悪くなる。

言霊思想というと何だか古臭いから、「言葉のパワー」と言ったほうが若い人には理解しやすいかもしれない。落語家の金原亭世之介さんの著書『なんで挨拶しなきゃいけないんですか〜』の中にはプラスの言葉・マイナスの言葉が紹介してある。

プラスの言葉には、未来・夢・幸福・笑顔・仲間・希望・美しい・合格・おかげさま・お互い様です・ごめんなさい・明るい・やさしい・ふくよか、等がある。どれもこれも、確かに心にも体にもよく効く、いつ何度聞いても、気持を高めてくれる言葉たちだ。

一方、マイナスの言葉は、犯罪・殺人・事故・敵・利己主義・殺伐・災害・死別・遭難・恨み・嫌い・仕返し・どん臭い・だめ・最低・ドジ・ばばあ・関係ない、等が並ぶ。こんな言葉を毎日聞かされていては大人も子どもも精神衛生上悪いし、本来持つ生命力を吸い取られ衰弱させられるだろう。

つまり言葉は脳への暗証番号なので、プラスの言葉をどんどん脳に入力するか、マイナスの言葉を入力し続けるかで、その人のその後の人生に大きく作用するのだろう。ニュースを見たくない気持には、マイナスの言葉を自分の中に取り込みたくない、自己防衛本能のせいかもしれない。

いつの間にか60年も生きて来て、最近老いた母を看たり、知人のお葬式が続いたりで、老いるという現実や、時間の量より質ということを考えるようになった。だからなおさらプラスの言葉をたくさん使い、自分に引き寄せたいと思う。

読書で出合った「良き言葉」を書き集めたノートを折々に開いて見るが、作家の三浦綾子さんのこんな言葉は、いま読み返しても共感できる。

 ふだんの何げない、たあいのないような会話さえ、うまくいかずに、
 どうして大事な話ができるだろうか。人間の理解というのは、小さな
 会話のつみ重ねの中に生れていくものなのではないだろうか。どん
 な会話だって、やはりその人間の人格に咲いた花のようなものだ。

 特に家庭生活では、自分が正しいと思ったときの怒り方は、慎重で
 なければならない。……家庭は裁判所ではないのだ。どちらが正し
 いか、ということよりも、更に大切なことがある…


 ※参考図書 
   ・金原亭世之介著『なんで挨拶しなきゃいけないんですか〜』
      三五館 2006年6月 
   ・三浦綾子著『愛すること信ずること』
      講談社現代文庫 1972年5月

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
 三浦綾子さんの言葉に私も共感します。
 私の好きな吉野弘さんの詩「祝婚歌」に、次のような一節があります。
  互いに非難することがあっても
  非難できる資格が自分にあったかどうか
  あとで
  疑わしくなるほうがいい
  正しいことを言うときは
  少しひかえめにするほうがいい
  正しいことを言うときは
  相手を傷つけやすいものだと
  気付いているほうがいい
 結婚する二人に語りかける言葉ですが、結婚して50年になる私も、心しなければいけないことだと思っています。 
bon
2010/07/10 12:16
bonさま。
コメントありがとうございました。
吉野弘さんの素敵な詩をご紹介いただき、ありがとうございました。三浦綾子さんの言葉とも共通するものがありますね。
私は子育てのころ勤めを持っていたこともあり、いつも子どもたちをせかせて、時には親の権威を振りかざして叱ったこともありましたが、三浦綾子さんの言葉と出会ってからは、子育てや家庭運営の指針にしてきました。
私はまだ結婚32年ですが、bonさまの50年は素晴らしいですね。健康の維持はもちろん、互いの思いやりや心掛けのたまものだと尊敬します。
takeko
2010/07/11 00:26

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